いつか観ようと思っていたけど、深夜アニメの性で生活とのタイミングが合わずになかなか観ることができずにいたアニメ。「幼女戦記」

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© カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会

週末に時間ができたので、先週ちらっとAmazonを覗いてみたら、なんと早速「Amazon ビデオ」にてプライム特典で観ることができるではないか...!


SNSや口コミでも「面白い」といった評判を聞いていたので、観てみました。
とりあえずアニメは1クールで全12放映されたようですが、原作はさらにストーリーが進んでいる模様。そちらはまだチェックできていないのですが...、とりあえずアニメを観ながら感じたことを、戦争を絡めて書いてみようと思います。

※まだ観ていない人にも配慮して書いてはおりますが...、若干のネタバレにはなりますので、気になる方はここから引き返されることをおすすめします。ご了承くださいませ。


・ロリコンアニメではなかった。
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© カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会

実は、このアニメは初期と観たあとでイメージが変わったタイトルの一つ。
「幼女」は釣りですね(でもそこにアレルギーある人にはおそらく観ないだろうから、なんか勿体無い...)。

一応、訳ありでヒロインが幼女となってますが、とある中身の設定から幼女的な振る舞いはほぼなし。

効率的、かつ保身を自身の最大メリットとすることから、仕事と割り切って残虐な行為も辞さない。
ただ、エリートであり努力家、とある事情で幼少から魔法を使えるようになったということから、上層部から信頼されている。(一部の本部メンバーからは、人格に問題ありと行動に疑問視されているが)

ですので萌え要素というよりは、どちらかというとやや戦略よりで、男くさいキャラが多いアニメです。
全員が男だと面白みに欠けるので、幼い子をエリートと設定して書いている、アニメならではのお話ですね。


その他ざっと概要をまとめてみますと。
  • 1925年の大戦が舞台(リアルな世界と比較すると、ちょうど第一次世界大戦と第二次世界大戦の間に起こった初めての大戦、という設定になってます。)
  • 戦争の描写がわりと細かく描かれている(血とか...)
  • 国vs国の戦略案が作り込まれいて、見応えあり
  • 兵士の葛藤が描かれていた(合法なら一般人を砲弾の雨に巻き込んでもよいのか、など)
  • ターニャ率いる魔導航空大隊が「魔法」が使える主力という設定
  • 帝国と連合国は戦力が拮抗しているので、最後は国の戦略差で均衡が破れていく展開が面白い
どうでしょうか。
この概要を並べてみても、タイトルを観て感じたイメージと少し変わってきたのではないでしょうか。


・「効率化」と「感情」の衝突
Q. いのちのやり取りにおいて、効率化することが「悪魔」の象徴?

このアニメで頻繁に出てくるワードに、「効率化」と「悪魔(化物)」があります。

特にヒロイン(ターニャ)は、軍規を破らずいかに効率的に任務を遂行するかを、何よりも優先して実行に移すため、本部の一部からは「幼女の皮を被った化物」、敵からはターニャ率いる魔導大隊が「ラインの悪魔」(※ラインは戦線の名前)とさえ言われています。


そのため、その誰よりも効率化を推し進めるターニャを部下が信頼することもあれば、敵から復讐心を燃やされて命を落としそうになるシーンもありました。

その経験から、ターニャは「いかに文明が発展しようと、人が感情的になるとその感情に支配され、理性を失う」と悟ります。
ただ、その結論が「そのために戦争が終焉しかけても火種はすべて刈り取らなければならない」と、停戦申請中の敵国に対して出動を懇願したシーンがあり、上層部はこれを必要ないと却下しました。


...この結論を書くとネタバレになってしまうので書きませんが、この流れを読む限りどちらの判断が正しいのか。

実際の戦争では、お互いの国で大勢の人がなくなります。
そして家族を奪ったあの国を許せないと、復讐のために生きる人もなかにはいるでしょう。
(身近な話では殺人、恋愛のもつれや仕事のいざこざも、感情が揺さぶられる瞬間となるかと思います。)

この火種を消さない限り、戦火が絶えることはありません。
だけど、それは戦いで消すことはできるのか?
消せない場合はどうするのか?(消えるまで戦う?)
他に道はないのか?

などなど、状況によりけりでしょうが簡単に答えは出せないと感じてしまいました。


人は効率的に動くものと思いがちだけど、結果として効率的にはならない。
むしろ、非効率なことを時に感情に身を任せて、獣のような振る舞いをしてしまうことの方が多いのも、事実ではないでしょうか。

効率を極限まで突き詰めてしまうと、感情がむき出しとなって対峙するようになってしまう。

感情が「無」だと捉えられた象徴が、「悪魔」ということなのかもしれません。

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© カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会


・「戦争」と「平和」の矛盾
Q. 平和を求めて戦争を続けている矛盾

「戦争」の対義語は「平和」、...といいたいところですが。
(厳密には「戦争と外交」、「平和と混乱[混沌]」が対義語らしい)

実際には「(自国の)平和を手に入れるために戦争をしている」国は多いですよね。
(国同士で戦力が開きすぎると、攻め込まれて戦争が起きてしまうパターンもあるらしいですが)

リアルな話、中東やヨーロッパなどでは未だに紛争やテロなど、戦火が静まる気配がありません。
本当に「勝つまで」戦争を続けることで、平和を得ることはできるのでしょうか?


日本は島口ですので、簡単には戦争やテロに巻き込まれないとは思いますが、お隣は中国、北朝鮮が不穏ですし、これから国内でテロが起きないことも否定できません。

平和ぼけした日本だからこそ放映されやすいアニメではあったかと思いますが、中身は濃かったのでこれを契機に、平和とは、戦争とは、を一度考えてみてもよいのではないでしょうか。


このアニメはもっぱら戦争アニメなので、戦うことしか前進する道はない、という描き方をされていますが、実際には国同士が武器や兵力を保持しつつ、他の同盟国と歩調を合わせながら「ウチに攻め込んでも勝てない、もしくは得することはない」と牽制しながら距離を保とうとするので、早々戦争に発展するということは少ないでしょう。


ただ日本も、何かの拍子に北朝鮮とアメリカが接触して、ミサイルが本土に飛んできた、という展開になったらわかりません(泣)

国民感情が大きく揺さぶられる前に、戦争をする意味はなんなのか、お互いを殺し合って勝つことで平和が本当に得られるのか、などを思いにふけながらアニメを観てみるのも、また違った見え方があるのかもしれませんね。

僕としましては、「幼女戦記」を観て改めて戦争はしたくないと思いましたし、殺す側も殺される側もごめんです。
たまに戦車乗ってみたいとか、撃ち合いをしてみたいと思うことはあっても、それは殺生のためでなくバーチャルなエンタメを楽しみたいという感覚です。

戦争の産物で不謹慎と思われるかもしれませんが、結局インターネットも医療技術も軍事技術から生まれたものであることは事実ですので、それを有効活用しつつ、かつ歴史の同じ過ちを繰り返さないようにしたいと願う、今日此の頃であります。

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© カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会


結論:★★★★★
おもしろい

戦闘あり、コミカルあり、緊張感あり、狂喜あり。
ややダークですが、戦争系を観るのに抵抗がない方は普通に楽しめるのではないでしょうか。



P.S.

「幼女戦記」はアニメも良かったのですけど、オープニングとエンディングのテーマもアニメの狂喜さが伝わってきて良さげです。
移動時に上司やクライアントと戦う前などに聞くと、戦闘力が上がるかもしれません(笑)

オープニング:「JINGO JINGLE」
作曲、歌:MYTH & ROID

エンディング:「Los! Los! Los!」
     歌:悠木碧